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GIGAスクール構想の議論の最中

以前あった出来事だか、とある現役教師や退職教師、議員などの、テーマを決めて誰かひとりが講義をする講演会のようなものがあった。

その講演会では、小学生が授業の際、ひとり一台パソコンやタブレットを使って授業を受ける、いわゆる「GIGAスクール構想の弊害」のようなテーマが扱われていた。

子供の教育の主体が、先生との対面ではなく、パソコンにだけ向かうものになってしまったら、人間味の無い教育になってしまい、子どもたちの対人能力に悪影響を与えてしまう、そういったことが議論されていた。

そのようなことは私にもなんとなくわかる。確かに昔のように、先生と生徒が面と向かって教え教わる対面授業の方が、人との関わり方が鍛えられ、社会性が磨かれるだろう。

その反面、先生の人員の不足や、急速なテクノロジーの進化の中で、いかに教育が行われるか、また、ビッグデータによる日本中の生徒たちの得手不得手の能力の一括管理など、時代背景の中でITを駆使しなければやっていけない状況もあり、一概にITを否定することもできない。

その講演会の議論に、私はとやかく言えない。

時代というものがあり、世界は常に変わり続けている。人は生きている以上、その変化に対応していかねばならないのだから。

Wi-Fi使うんですか?

私の言いたいのは、実はそこではない。

その講演会の準備の際、パソコンとプロジェクターをつないで、スクリーンに映す作業があった。

それは運営側の責任者と、講演者が行っていたのだが、パソコンの画面をスクリーンに映すテストも終わり、一見準備が整ったかように見えたその時、運営側の責任者がある一言を放った。

「じゃあこのWi-Fiはつながなくていいの?」

ん?と私は頭の上にまさしくはてなマークが点いた。

ご存じの方はご存じだろうが、パソコンに保存してあるパワーポイントのファイルを開き、それをパソコンの画面に表示させ、ケーブルを使ってプロジェクターとスクリーンに映しているだけである。

つまり、事前に作ってきた講演の説明図のデータを、いろいろなIT機器は使っているが、目の前に大きく映し出して見せているに過ぎない。

よほど特別に何か別なオンライン動画でも流すことがない限り、その場ではWi-Fiは使わない。

パソコンを扱う上での問題を議論する場にいる、それも運営側の人間が、事前に作ってきたパワーポイントのプレゼンテーションに、Wi-Fiを使うのかどうかを知らなかった。

Wi-Fiを使うのかどうか、考える知識の土台が、頭の中になかったと言った方がいいだろうか。

つまり、パソコンの弊害を議論する人間が、パソコンやインターネットの実際の使い方を、ちゃんと理解できていないのである。

きつい言い方だが、パソコンの使い方や応用の仕方がわからない人間に、どうしてパソコンの弊害を議論することができるだろうか。

私はパソコンを生業としているが、人の創造性をパソコンは実際の形にしてくれる、歴史の中でとびっきりの発明だと思っている。

まあ確かに、ウイルスなどに代表される数々のパソコンの暗黒面はある。しかし、それもよほどのことがない限り、そうしょっちゅう起こることではない。

議論するならある程度理解すべき

最初に言ったが、パソコンが良いか悪いかを言いたいのではない。

そのことを論ずるために、パソコンの良い点、悪い点を、しっかり理解できているか、ということである。

その物事がよく解らないのに、あれこれ議論するのは、テレビに向かって、本来は複雑なはずの政治の、ある一面だけを見て、ぶうぶう文句を言うのと同じである。

そして、そのような現象に陥っているのは、得てして、年配の方々である。

そのような方々は、「私はパソコンはよく解らない」とおっしゃる。

パソコンをとりあえず扱ってみるところから、自分を遠ざけようとする。

ん?子どもに物を教える先生ですよね。パソコンがわからないではなくて、パソコンを勉強してみたらいかがでしょうか、と突っ込みたくなる。

しかしここに、時代が急速に進化してしまったが故の弊害が見え隠れする。

パソコンを使わなくても済んだ者、パソコンを使わなくてはならなかった世代、その差が急激に現れた所以である。

だから、大変残念だが、その差は埋まらないだろう、とも考える。

パソコンを使わなかった世代は、その異質なものが、時代に悪影響を与えないか危惧する。

パソコンを当たり前に使うものは、当たり前のように生活の中に「それ」はある。

それは時代の流れの中ではどうしようもないことだが、少なくとも、それを議論するのであれば、パソコンに限らず、どんなものでも、良い点悪い点をある程度知った上で議論するのが望ましいのであり、それができなければ、旧態依然をいたずらに保っているようにしか私には見えない。

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